
加齢が進むと、体の衰えだけではなく、脳も老化していくのは自然のことです。
しかし、この症状が進行してしまうと、日常生活に支障が出たり、家族を困らせてしまうという事態になりかねません。
今回は、記憶力や判断力など、脳の機能に働きかける3つの成分を、管理栄養士が紹介します。
どのように脳の働きに関わるのか、そのメカニズムや多く含まれる食品を見ていきましょう。
目次
管理栄養士のおすすめ!記憶力に働きかける成分3選
DHA・EPA

血中の脂質を減らし、血液をサラサラにするという働きが有名です。
その他にも、脳の機能を活性化するという働きもあります。
どんな人にオススメ?
- 物忘れが多い人
- 頭をすっきりさせたい人
- 生活習慣病が気になる人
- 代謝を上げたい人
記憶力に働きかける理由とメカニズム

DHAは、脳の情報伝達機能をサポートする働きがあります。
DHAは柔らかい性質を持っており、脳の神経細胞の細胞膜に多く含まれていると、その細胞膜は柔らかい状態となります。
細胞膜が柔らかいと、情報伝達がスムーズに行われます。
反対に、DHAが少なく細胞膜が硬くなってしまうと、情報伝達の機能が弱まります。
この細胞膜の柔らかさが、脳の機能にとってはとても大切です。
また、EPAは、DHAと似たような成分ですが、大きな違いがあります。
脳の入り口には、血液脳関門というものがあり、不要な物質は脳には入り込めません。
EPAは、この血液脳関門を通ることはできないので、DHAのように脳の機能に働きかけるという役割は持っていません。
しかし、DHAはEPAから作られることもあります。
EPAは脳の活性化に全く関係ないというわけではなく、DHAが不足した場合に、DHAを合成する材料となります。
EPAは、このような仕組みで、脳の活性化に間接的に関わっています。
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イチョウ葉

血管を拡張させ、血流を良くする効果があり、肩こりや冷え性の改善にも効果的です。
また、「うっかり」の物忘れや、認知症の予防や改善にも期待されている成分です。
▶ もっと詳しく:イチョウ葉をDHA・EPAと合わせて取るメリットとは?脳に良いといわれる2大成分の相乗効果
どんな人にオススメ?
- 物忘れが気になる人
- 血行を良くしたい人
- 冷え性の人
記憶力に働きかける理由とメカニズム

ギンコライドは、イチョウ葉のみに含まれるファイトケミカルと呼ばれる成分の一つです。
ファイトケミカルは、植物に含まれる化学物質のことをいいます。
植物性食品の、色素や香り、アクなどから発見され、抗酸化力や免疫力を高める働きがあり、健康的な体づくりに役立つ成分です。
脳に活性酸素が増えると、細胞が傷つき、老化や認知症の原因となるといわれています。
ギンコライドの抗酸化力は、脳細胞を活性酸素のダメージから守ってくれます。
その他にも、血小板が固まるのを防ぐ効果があるため、血栓ができにくい状態に保つため、脳梗塞の予防にも効果的です。
ホスファチジルセリン

特に脳の細胞膜に多く存在し、「脳の栄養素」とも呼ばれることもあります。
▶ もっと詳しく:ホスファチジルセリンをDHA・EPAと合わせて取るメリットとは?脳にいい2大成分の相乗効果
どんな人にオススメ?
- 集中力が続かない人
- 落ち着くことができない人
- 物忘れが気になる人
- 無気力、鬱の人
記憶力に働きかける理由とメカニズム

また、脳の機能低下の原因は、加齢だけではありません。
ストレスから発生する活性酸素も、脳にダメージを与える原因の一つです。
ホスファチジルセリンには、脳の細胞膜を柔軟に保つ効果があります。
これにより、酸素や栄養素が上手に運ばれ、老廃物の排出もスムーズに行われるようになります。
この脳の細胞膜を柔らかくするというのが、脳の活性化には欠かせません。
また、ホスファチジルセリンの効果は、脳細胞だけに働きかけるのではありません。
赤血球の膜を柔らかくする作用があり、体の末端にまで酸素や栄養素を届けてくれます。
これにより、血行促進、代謝アップが期待できます。
まとめ

DHAとホスファチジルセリンは、脳の細胞膜を柔らかくし、イチョウ葉は抗酸化力によって脳細胞のダメージを和らげることにより、脳を活性化させます。
物忘れや集中力が続かないなど、気になる症状がある人は、是非使用を検討してみてください。
脳の衰えを感じたら、早めに対処することが大切です。
加齢のせいだからと諦めず、いつまでも活き活きと、充実した毎日を過ごしましょう。
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